銭湯レポート
孫橋湯magohashi-yu
2011.9.9 入浴
地下鉄東西線の京阪三条駅からすぐにある「孫橋湯」に行ってきました。先日当サイトの「ゆったり日誌」のコーナーで「京都の銭湯は水風呂がアツイ?」という記事を書きましたが、そこでご紹介したミュージシャンのサワサキヨシヒロさんが、「あそこの水風呂はいい!」と仰っていたので、仕事帰りに途中下車して立ち寄ってみることにしたのです。
事前に調べていたので駅から近いことは知っていましたが、実際に行ってみると本当に近い。改札を出て京阪乗り換え方面とは逆に進み、一番出口を出てすぐ右手にある門を曲がると、もうそこに「ゆ」と書いた電飾の看板が目に入ってきます。
お店の前に立つといたって簡素な佇まい。建物はレトロや情緒といった言葉とは縁のない外装です。でも「牛乳石鹸」のぞうさんの暖簾が中の暖色系の灯りに照らしだされて、何とも言えない暖かで親しみある雰囲気を醸し出しています。
暖簾をくぐって下足入れに靴をしまって、向かって左側の男湯の引き戸を引きます。番台で奥さんにお代を払うとそこは脱衣所です。外観同様、内装も簡素なですが、置いてある籠や鏡などが使い込まれた感じで年季を感じさせます。特にロッカーは木製で古く、扉に小窓が入っている意匠や大型の脱衣籠がそのまま入る深い奥行きが印象的で、存在感を醸し出していました。
タオル一枚で銭湯に入れます。
浴場にはいります。金曜の夜8時くらいでしたが、入浴者は私だけでした。浴室もやはり非常にコンパクトなレイアウトです。しかし普通の湯船にジェットバス、薬草湯にサウナに水風呂と、京都の銭湯での標準設備はひとしきり完備されています。カランは13しかないし、サウナは3人しか入れないしで、やはり窮屈な感じは否めないですが、設備はどれもよく手入れされていて、行き届いた印象を受けます。
カランの前に椅子を出して、体を洗います。これも事前にネットで調べていた通り、各カランにシャンプーと石鹸が備え付けられています。これ、仕事帰りに立ち寄るにはとても良いサービスですね。タオル一枚持っていれば、思い立ったときに入ることができますから。
体を洗い終えて湯船に浸かります。温度は熱からずぬるからず、ちょうど心地良く感じられる温度。ふと鏡に映った自分の顔を見ると、完全に「放電モード」で気持よさそう!近頃夏の暑さで毎晩シャワーで済ましていて、湯船に浸かる事自体が久しぶりだったからかもしれませんが、やはり銭湯でタップリの湯に肩までどっぷり浸かるのは、何とも心地よいものです。
いよいよ孫橋湯の水風呂を体感
しばらく呆けていると、ようやく別のお客さんが入ってきました。40〜50と思しき方ですが、何気なしに見ていると、体を洗い終えたら湯船ではなく一直線に水風呂に入るではないですか!そのまま結局最後まで、一度も湯船には浸からないで水風呂だけで風呂場を後にしてしまいました。そう言えばサワサキさんも京都の銭湯ではサウナと水風呂にしか入らないお客さんをよく見かけると仰っていました。このお客さんの場合はサウナにすら入りませんでしたが、やはり良質な井戸水を使った水風呂であるが故でしょうか。
それで私もいよいよ水風呂に入りました。はじめヒヤッと体に冷たく感じますが、すぐに体が慣れてっ心地良い冷たさに感じられるようになりました。うん、確かにこれは気持ちいいぞ!水の質感がどうとか、そういうプロっぽいことは分かりませんが、何というか、やさしい冷たさがほんとに心地いい。結局その後水風呂とサウナの往復を4〜5回繰り返してしまいました。
聞くところによると、ここの水風呂は肌がすべすべになるとのことで、祇園界隈で働いておられる令嬢方もよく来られるとのこと。その真意の程は分かりませんが、確かに普段の乾燥肌が少しましになった気がしました。気がする程度ですが...。
ようやく風呂場を後にして脱衣場に戻ると時間はもう9時前でした。その頃には他のお客さんもちらほら見え、地元の方同士なのでしょうか。談笑しておられる人たちもいました。
孫橋湯はレトロな外観や凝ったタイル絵とは無縁の銭湯です。でも使い込まれた籠やロッカー、小ぢんまりとしながらも手入れが届いた浴槽などに、毎日の暮らしに密着した風呂としての年輪が感じられ、とても心豊かな気持ちにさせられました。
また仕事帰りによってみたいと思います。
孫橋湯へのアクセスマップ
住所 | 京都市左京区新麩屋町通孫橋南入ル法林寺門前町36 |
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電話番号 | 075-771-2108 |
営業時間 | 15:00~23:00 |
定休日 | 水曜日、第2水曜・木曜日 |
お風呂 | 深風呂、ジェット風呂、気泡薬風呂、水風呂、サウナ |
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