2011年8月 8日
京都の銭湯は水風呂がアツイ?
先日、ミュージシャンのサワサキヨシヒロさんとお話する機会がありました。サワサキさんは無類の温泉好きで知られていて、近年は温泉街で音楽フェス、その名も「音泉温楽」を開催されています。
※音泉温楽オフィシャルサイト
サワサキさんは全国の温泉を回られてて、出身地である京都の温泉にも行かれるのですが、市内には温泉があまりないので、時々銭湯にも行かれるみたいです。そこで、いくつかの銭湯に入っているうちにあることに気がついたと言われるのです。
京都の銭湯には必ずと言っていいほどある水風呂
それは京都の銭湯には必ずと言っていいほど水風呂があるということです。そして見ていると、みんな本当によく水風呂に入るそうです。サワサキさんも実際に入ってみると、その水が肌に柔らかく、カルキ臭もなくキシキシする感じもない。これは水道水ではないなと思って調べてみると、やはりほとんどの所が井戸水を使っているとのこと。温浴槽は条例で塩素消毒しているけれど、水風呂は井戸水掛け流しという所が多いようです。
それを知ってサワサキさんは、京都の銭湯では、水風呂というものが、いわゆる温泉地での温泉と同じような役割を果たしているのではないかと考えるようになったと言います。
どういうことかというと、、、
サワサキさん曰く、温泉とは地球のエネルギーが地表に吹き出ている場所。人はそのエネルギーに身を浸す事で地球に癒やされ、元気をもらえます。でも京都の街の人にとってそういう温泉は身近なものではありません。
けれども京都は盆地ゆえ地下水が豊富です。人々は古くからそれを井戸水として暮らしに役立ててきました。その水は、いわゆる温泉的な成分は少ないため、法律上では温泉とはみなされないものです。でも古(いにしえ)から京の人々の暮らしを支え、都の文化を育んできた水です。単なる井戸水ということではすまされない特別な井戸水だと言えます。成分表では表せないパワーをもった水。サワサキさんはこれを「鉱泉」と仰っていました。
その鉱泉をそのまま掛流しで使う水風呂に身を浸す。このことを通して京都の人たちは土地が持つ力のようなものを文字通り肌で感じ、何かしらの活力を得てきたのではないか。そしてそれは先に書いた温泉文化に相通づる、謂わば「水風呂文化」とでも呼べるものではないか。サワサキさんはそんな風に思われたそうなんです。
京都によくある◯◯温泉
そういえば京都には、温泉ではないのに「◯◯温泉」という名前を掲げている銭湯がよく見られます。普通に言えば看板に偽りありということになるでしょう。でもサワサキさんの言われるように井戸水を温泉に見たてれば、あながち嘘ではないと言えるのではないでしょうか。やはりそこには「水風呂文化」という大きな流れがあるのかもしれません。
サワサキさんが言ってる事はデータで実証された事ではありません。でも聞いてみれば妙に説得力があり、何よりとっても興味深いです。我々スタッフも次に銭湯に行くときは水風呂の事を気にしながら入ってみたいと思います。
できればこのブログでもリポートしてみたいと思います!
当サイトでも温泉と名のつく銭湯をいくつかご紹介しています↓
船岡温泉 / 芋松温泉 / 太秦温泉 等