京都の夏と言えば祇園祭で盛り上がる季節ですが、各地でも様々な伝統行事が行われています。
その中でも熱い夏に涼しい体験ができる伝統的な習わしがあります。毎年7月の「土用の丑の日」前後に行われる、世界遺産・下鴨神社の「みたらし祭」です。
別名「足つけ神事」とも呼ばれるこちらの行事は、普段はなかなか入ることができない下鴨神社の御手洗池に直接入ることができるとても珍しい体験ができるのです。
夜にはたくさんの灯りとともににぎわいある境内に
みたらし祭は下鴨神社境内にわき出すみたらし川に足をつけ、無病息災を願う夏祭りです。
平安時代の貴族が季節の変わり目に禊をして罪や穢れを祓っていたものが庶民に伝わり、現在の「みたらし祭」の形として伝わったそうです。
この冷たく神聖な水に足をつけたら身も心も引き締まる思いです。
約1週間ほど開催されるこちらのお祭りは夜になると出店に灯がともり、とってもいい雰囲気になります。
糺ノ森を歩いて鳥居をくぐると、たくさんの提灯が並び普段の下鴨神社とは違う特別な空間になります。
境内を一通り回るといよいよ足つけ神事、御手洗池に向かいます。
神池・御手洗池へ
たくさんの参拝客でにぎわう受付に行くと、ロウソクを300円で購入することができそこで靴を脱いで裸足になり準備を行います。
ちなみにこの後はいる御手洗池は大人でも膝上にくるくらいの深さがあるので、まくり上げやすい服装がおすすめです。また小さなお子さんには深いので注意が必要です。
さて、受付を済ました後いよいよ橋の下をくぐり水に足をつけていきます。
なんだか雰囲気が遊園地のアトラクションにはいっていくかのよう!祇園祭の様に壮大な山鉾を眺め楽しむのもいいですが、こうして自ら体験できるお祭りというのもいいですね。
水の中を進むと、手にしたロウソクに火をつける場所がありますので、そこで火を灯します。
しばらく進むとたくさんのロウソクが並んでいますので、自分の持っているロウソクをお供えします。ここで無病息災を願いましょう。
最後はご神水をいただき体の中からきれいに
無事ロウソクをお供え終わると、靴を履きご神水をいただくことができます。
足下がまだ冷たく心地いい状態でいただく冷たい水で、心身ともに引き締まる思いです!
一通りの足つけ神事をおこなった後にいただきたいのはもちろん、名物「みたらし団子」。
この下鴨神社はみたらし団子発祥の地だそうで、みたらし団子は御手洗池から出てくる泡を形どったのだとか...。
御手洗祭と言われる所以ですね。
他にもおいしそうなうどんや、かき氷、さば寿司、グリーンティーまでいただけたりします。
下鴨神社に立ち寄ったら行ってみたい銭湯『栄盛湯』
下鴨神社で神聖な行事に参加した後にぜひ立ち寄りたいのがすばらし外観でも有名な栄盛湯さん。
その外観は一度見たら忘れられない印象的な風情に溢れています。林宏樹さん著書の「京都極楽銭湯案内」の表紙写真としても有名です。
暖簾をくぐる前の庭がまた風情がり、見事な錦鯉の泳ぐ池があり、その上にかかる橋、そして存在感を放つ松が入浴前から訪問者を癒してくれます。
御手洗祭で無病息災をお祈りした後にはここ栄盛湯でゆっくりして帰ってみてはいかがでしょうか。
■下鴨神社公式サイトはこちら
(御手洗祭の日程はこちらでご確認ください)