登録有形文化財にも指定された船岡温泉を中心に、京都の隠れた名スポット船岡温泉街をご紹介します。
これが銭湯??と目を疑うほどに至る所が豪華絢爛!
国の文化財にも指定されている「KING OF 銭湯」の全貌が今明らかに…
船岡温泉は京都は北区紫野、船岡山の南に位置します。文化庁の登録有形文化財にも指定された由緒ある唐破風造の建物。内装はレトロなマジョリカタイルから始まり、脱衣場の天井に彫られた鞍馬天狗や透かし彫りの欄間など芸術としか言いようがありません。
一方、お風呂のほうは非常に近代的。日本で初めて導入されたという電気風呂をはじめ、ジェットバス、露天、薬草風呂などその実力は折り紙つきです。
また辺りはゲストハウスやカフェが立ち並び、古い歴史を持ちながらも、変化し続ける隠れた観光スポットなんです。
創業 | 大正12年 |
---|---|
住所 | 京都府京都市北区紫野南船岡町82 |
電話番号 | 075-441-3735 |
営業時間 | 15:00〜25:00、日曜は8:00から |
定休日 | 無休 |
お風呂 | 露天風呂、檜風呂、深風呂、浅風呂、ジェットバス、薬風呂、サウナ、水風呂、打たせ湯 |
船岡温泉の歴史は大正12年、初代”大野松之助”が料理旅館「船岡楼」として創業したことに始まる。上賀茂で庭石屋を営んでいた松之助の庭好きが高じた結果だったが、この庭石屋スピリットは代々”いじり好き”として受け継がれていくことになる。
場所は西陣のど真ん中。主な客層が西陣織の若旦那衆だったことも、贅を尽くし豪華絢爛に発展していった要因と云えよう。
現在も堂々たる風格でお客様をお出迎えする軒唐破風は昭和3年に作られたもの。 昭和7年には近くの「菊水橋」が市電開通と共に壊されると聞きつけ、石造欄干を譲り受け浴室への渡り廊下に使用してしまう。 やっぱり石が好き。
”伍一郎”は、病院の低周波治療器をヒントに通産省に何度も出向いてまで日本初の電気風呂を導入するなど、新しいことをどんどんやってのける質実剛健な精神の持ち主。あの欄間が掛けられたのもこの時期だが戦争に勝った喜びなど当時の日本の熱も感じ取ることが出来る。
”定”は歴代で唯一の女性。夫である伍一郎が早くに亡くなった為、妻が切り盛りした時代がある。
”義男”も岩風呂の増築などやっぱり石が好き。番台で現役活躍中。
当代”松之助”は浴槽の瓦屋根を「外人さんが喜ぶかな、思て」つくったとか。常に面白いことにアンテナを張っている当代には銭湯以外のことも何でも訊いてみたくなる。そして、肌の美しさは、きっと銭湯効果。これからもどんな増殖を見せてくれるか、客を飽きさせないエンタメ精神豊富な『KING OF 銭湯』だ。
明治末期に西洋建築と共に普及した表面に凹凸のある装飾タイル。
今となっては希少。そーっと触ってみよう。
鮮やかな彫刻。近くの大徳寺梶井門には伝説も残る。
脱衣所の欄間は上海事変が題材。ワンコや電話かける人、よおく観察してみよう。
銭湯にしては珍しい檜風呂。これも湯宿の名残か。
ホンモノの欄干を伝って浴場へ。この手前で洗面器を持ってくことを忘れずに。
5代目店主 大野松之助さん
衰退する銭湯文化に対する思いを当代の松之助さんに語って頂きました。ありがとうございました。
銭湯は維持するのも改装するのも大変。
子供も減っていくし先細りしていく感じやけど、錦湯さんみたいに色んなイベントとくっつけたり銭湯の楽しみ方も時代に合わせて変えていくのもいいと思う。
※各銭湯の営業時間、電話番号、料金などは変更になっている場合がありますので、ご利用の際は各銭湯にご確認ください。