銭湯で避難訓練!?〜鴨川湯で実施されている避難訓練の参加レポート〜

銭湯で避難訓練!? 鴨川湯で実施されている避難訓練の参加レポート

2024年10月8日「銭湯を日本から消さない」をモットーにする「ゆとなみ社」さんが運営する銭湯『鴨川湯』で行われた3回目となる避難訓練に参加してきました。
地域の方や常連のお客様が参加し、災害時の避難手順や安全対策を確認しました。銭湯ならではのお風呂で行われたこの避難訓練では、スタッフさんが中心となって進行し、緊急時の対応力を高めるための有意義な時間となりました。参加者の声や、店長さんの思いを交えながら、地域の防災意識の向上に向けた取り組みをご紹介します。


※ 現在は大人510円です

避難訓練の流れ

避難訓練は2回に分けて行われ、「私服」と「避難着」に着替えて避難するという2パターンで決行されました。

入浴

まずは、事前に避難の方法・怪我のあった方の救助の仕方などを学びました。レクチャーの後、実際に浴場へ!ゆっくりお風呂につかる方、カラダやアタマを洗う方、サウナで汗を流す方など様々なシチュエーションに分かれ、お風呂を楽しみます。

避難訓練開始

すると、電気が真っ暗に!!店員さんから「地震です!!」の呼びかけがあります。まずは全員が怪我のないようにその状態のまま脱衣場へ。

1回目 自分の預けたロッカーから荷物を取り出し、着替えて避難しました。

2回目 脱衣ロッカーの下にある避難着に着替えて避難しました。

お風呂場でけが人が発生したら...

お風呂場で震災により怪我をしてしまう人も想定して、けが人の救出方法も学びました。1.1人が傷病者の背中にまわり、脇の下から手を入れ傷病者の腕を掴みます。2.もう1人が傷病者の足を重ねて抱え、傷病者の上体側から立ち上がります。 ※ ただし頭部外傷、骨折している傷病者を  この方法で運んではいけません。

避難訓練を体験してみての感想

今回の避難訓練に参加して、防災意識の重要性を改めて感じることができました。銭湯の中が真っ暗になる場面は、予測していたものの、実際は想像以上に恐怖を感じました。その焦りからか、体を拭かずにビショビショのまま服を着てしまい、結果的に靴を履く際に苦労することになりました。この経験から、冷静さを保つことの難しさを痛感しました。一方で、2回目の避難では避難着を使用することができ、準備が整っていることでどれだけスムーズに行動できるかを実感しました。乾いたタオルと整った服装は、避難の際に大きな助けとなり、そのありがたみを強く感じました。ただし、避難に集中するあまり、携帯や財布を置き忘れてしまうというミスもあり、持ち物の管理にも注意が必要だと学びました。さらに、他の避難者への支援という点でも多くの気づきを得ました。今回の訓練では、自分の避難に精一杯で、周囲の人々への配慮がまったくできませんでした。今回の訓練を通じて、日常生活の中で防災意識を高めるとともに、困っている人を支援できるような心構えを養いたいと感じました。

店長の丹羽さん 遠藤さんにお話を伺いました なんで銭湯で避難訓練をやっているの?

なんで銭湯で避難訓練をやってるんですか?

スタッフの育成が一番大きな理由ですね。やっぱり、いざという時に冷静に対応できることが大切なので。そして、訓練に参加してくれた方々には、災害時に率先して避難や救助ができるようになってもらえたら嬉しいです。あとは、地域の方々にも防災意識を持ってもらうことが目的です。普段から防災を意識することで、みんなで安全を守れるようになればいいな、と思っています。

今回で3回目になりますがいかがでしたか?

ゆとなみ社全体で避難訓練はやってるんですが、鴨川湯では独自に怪我人の運び方を2回目から取り入れています。みんなでやることで、スタッフも少しずつ自信がついてきましたし、学びも多いです。また、訓練のおかげでお店もどんどんアップデートできています。前に参加された方から『靴箱の足元が暗い』って意見があったので、センサーライトをつけました。

今後の展望を聞かせてください

ゆとなみ社の銭湯では、引き続き半年に一度、各店舗で避難訓練を開催していきます。また、温浴業界の方々からも参加希望がたくさん寄せられているため、まずは同業の方向けに弊社で行っている避難訓練を共有する研修を開催したいと考えています。
さらに、地域に寄り添った銭湯として、お年寄りや子どもたちにも参加していただき、防災意識を高めるきっかけにしたいと思っています。

参加された皆様にもお話を伺いました

参加のきっかけ

「銭湯での防災訓練に参加したのは、銭湯の防災活動と住民の防災意識向上に関心があったからです。銭湯特有の建築的課題に対する防災対策と、それを踏まえた防災まちづくりの研究を行っています。

銭湯避難訓練が住民の防災意識向上にどう影響するか研究したいと思い、参加しました。銭湯は地域とのつながりが強いため、地域全体で防災意識を高められる場所だと考えています。この活動を通じて、銭湯を防災の拠点とする意識を広げたいです。」


立命館大学 防災まちづくり研究室
森田 和磨さん

参加しての感想

銭湯避難訓練に参加し、日常的な場所での防災意識の重要性を実感しました。荷物の置き場所や避難経路など、実際に体験して初めて気づく課題が多くありました。地域の方々と協力して避難行動を取ることの大切さも理解でき、参加者同士の学び合いが地域全体の防災力向上につながると感じました。

銭湯の防災活用研究を行う森田さんは、この経験をもとに防災訓練の重要性を広める活動を進めています。興味のある方は下記までお問い合わせください。

お問い合わせはコチラ

参加のきっかけ

Kさん:鴨川湯の常連で、頻繁に通っています。参加のきっかけは、浴槽の壁に貼られていたチラシを見て決意しました。今回で3回目の参加となり、皆勤賞です!

Mさん:銭湯が大好きで、職場の同僚と何度も訪れるうちに、会社内に「銭湯部」を立ち上げました。参加のきっかけはKさんからのお誘いで、今回で2回目の参加となりました。


左:Mさん  右:Kさん

参加しての感想

Kさん:災害発生時にすぐ避難できるよう、ロッカーに洋服を片付ける際は着用順を意識するようになりました。また、避難時に必要なものを瞬時に判断する力が身についたと感じました。

Mさん:銭湯に入る際、自分の身を守るだけでなく、周りの人々をどう助けるかを意識するようになりました。お風呂を楽しみながらも防災意識を高められたと感じています。

鴨川湯について

鴨川湯は、京都の鴨川沿いにある歴史ある銭湯で、地域の住民や観光客に親しまれています。こちらの銭湯は、昔ながらの趣を感じさせるレトロな外観が特徴であり、温かみのある雰囲気の中でゆったりとした時間を過ごすことができます。

広々とした浴室には、大きな湯船やサウナが完備されており、訪れる人々がリフレッシュできる空間となっています。お湯の温度はほどよく、心地よい温まりを提供し、体の芯からリラックスすることができます。また、銭湯のロビーでは、地元の人々との交流も楽しめるのも魅力です。

京都観光の合間に疲れを癒したい方や、日常のストレスを解消したい方にとって、鴨川湯はぴったりの場所です。次回の開催は各SNSをフォローしてご確認ください。

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